SMプレイによるトラブルの体験談を頂きましたので、危険性とリスクの再確認のため多少の修正を加えて文章として記事にしました。
普段からSMプレイに馴染んでいる人でも、少しの気のゆるみや更なるハードなプレイへの向上心から、一歩間違えば死んでしまう可能性を秘めている事、初心者には改めて危険な部分も理解したうえで、身の程にあったプレイを楽しんでもらいたい。
そんな思いから、以下より水責めプレイでのトラブル体験談をお届けします。
30代S男性の水責めで起こった事故
私はSMプレイ好きな30代後半のサラリーマン。
ドSほどではありませんが、それなりに女性を虐めるのは好きです。
数年来のパートナーであり恋人でもある彼女との関係は、一般的な恋愛感情にはとどまらず、
互いの性的な好奇心を尊重し享受しあう良い関係性も持っていました。
通常のセックスにも、スパンキングや首絞め、見様見真似の緊縛などなど、
ご主人様と性奴隷というありきたりなファンタジー要素を楽しむプレイが私たちの定番です。
プレイは何時しか二人の間で「躾」と呼ぶようになっていて、M奴隷である彼女がやらかす「粗相」がキッカケで始まります。
食事中にスプーンや箸を落としたり、食べ物をこぼしたり、些細な失敗を私が把握し、「躾」が必要だと思ったらその日にプレイしていました。
また、単純に私の性欲が高まった際は、今日または今週でやらかした粗相を告白させ、その時私がやりたいプレイを執行します。
どんなキッカケで、いつどんなプレイが始まるのかは全て私が決定し、彼女が入浴中だったり電話中だったり、寝込みや休日の団らんとした雰囲気の途中で唐突に執行する事もあります。
もちろん生殺与奪の権利は全て私にあり、プレイ中の多少の抵抗は許可していますが、基本私が都度組み立てたプレイ内容は滞りなく執行していました。
SMプレイ自体には私自身一般の人たちよりも知識はあると思っていたし、彼女も満足していたので自分のSMプレイに置けるスキルはそれなりの自身はありました。
しかしながら、どこまで行っても私たちはSMプレイのプロではなくアマチュアでしかありません。
素人のごっこ遊びの域は超えず、十分なリスクの把握や安全処置も、今まで上手くやれて来たという慢心から殆ど意識せずに置き去りにしていった結果、水責めというプレイに手を出し、彼女を危ない目に遭わせてしまいました。
今回はそんな危険な体験談を、当事者として説得力のある注意喚起が出来ると思い執筆していきます。
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私たちはただのSMパートナーというだけではなく、ちゃんと恋愛感情のある恋人同士、仲良くお互いを想い合っていました。
休日にはどちらかの家に泊まりに行って1日中一緒に過ごすのが週末の恒例です。
毎週会うたびにSMプレイに興じているという分けではなく、普通のセックスで終る事もあれば何もせずに二人の時間を過ごすだけの日もありました。
それでも普通の人よりはSMプレイに関して多く経験しているし、プレイに掛ける意識の高さもあると思っています。
そんな慢心が、彼女を命の危険にさらす事になるとは、そういう自体に陥らないと気付かない自分の愚かさを今では反省しています。
その時の私は拷問というワードがマイブームとなっており、
好きな人に対して絶対にしてはいけない事をしてしまうスリルや罪悪感、悲壮感などを楽しむ事に意欲的でした。
彼女の方も、私の感覚では不安よりも被虐的なフェチを満たしているような、そんな印象をその時は受けました。
2人とも好奇心や目の前の快楽に縛られ、これまでの経験に驕りがあったのはいうまでもありません。
事が起きたのは、「水責め」でした。
彼女は試してみたいと楽しそうに同意はしてくれましたが、その言葉に「危険なプレイだけど相手が良いと言っているのだから大丈夫」という根拠の安心感に陥ります。
更に彼女の水責めへの好奇心を尊重することにばかり意識を向け、彼女がしたいからやってあげるという責任逃れや、「どうすれば安全に楽しめるか」という視点はもう完全に無くなっていました。
そんな準備不足が招いた結果としては、あと一歩の所で溺死する所までプレイを続行してしまいます。
普段通りセーフワードやジェスチャーなど、これ以上続けるのは危ないと感じた時の合図はしっかり決めてはいたのですが、コレが全く機能しませんでした。
プレイ内容としては、後ろ手に縛って頭だけを浴槽に突っ込ませる方法と、手足を縛って浴槽に身体全体を沈める方法。
革製の拘束器具では水で濡れた後に痛むことがあるのでシリコン素材の物を使うという、こういう所だけはキッチリ管理出来ていました。
浴槽の前に彼女を跪かせ、髪をつかんで一気にお湯を張った浴槽内へ突っ込む。
大きく息を吸って、呼吸を止める準備もさせぬまま。
最初は沈黙していましたが、次第にブクブクと息を吐いているようで、また暫くすると足や手をバタバタと動かします。
より一層身体を激しく動かし始めてようやく浴槽から彼女を引き上げると、まずは大きく息を吸い込みその後むせ返りながら床に倒れ込む姿に、何とも言えない性的な興奮を感じました。
間髪入れずにまた髪の毛を掴んで起こし、二度目の水責めへ。
今度は十分に息を吸わせた後、同じように頭部だけをお湯へ突っ込み、お風呂の底に頭が付くぐらい押し付けながらお尻をビシバシと叩きます。
そのたびに、ブクッブクッと水中で息を吐いている彼女。
たっぷり息を吸わせたからか、最初よりも長く耐える事が出来き私も満足していました。
そのあと少し休憩を挟み、その時に聞いた彼女の感想は「死なない程度にしてくれているのは実感としてあるけど“はずみ”でいつでも死んじゃうゾクゾク感が興奮した」と言っていました。
この言葉の深み、今では凄く理解できます。
プレイをコントロールする側があと1秒苦しい思いをさせてやろうと考え、その1秒が命取りになるほどの危険なプレイです。
プレイ中は興奮している事も相まって、リスクへの意識よりも自分の欲求第一となり、彼女のいう「はずみ」は簡単に生まれてしまうのです。
休憩の後、2回戦目は浴槽にたっぷりとお湯をはり、一緒に湯船に入って彼女の身体全身を沈めます。
彼女の身体を仰向けに、私はその彼女に多い被さり全身で覆いかぶさるように押さえつける。
苦しみ出したら両手で首を絞めながらさらに押さえつけました。
より苦しくなると手足をばたつかせる動きも激しくなりもがいています。
それがどうにも愛おしく、エロく見えて溜まりませんでした。
私は立ち上がって一度呼吸をさせた後、次は足で喉元を踏みつけるように沈めます。
この時、この瞬間がその日一番私服の時でした。
水面下で苦しい表情を見下しながら足蹴にしている。
彼女が苦しむ愛らしい姿に見とれて、ついに私は時間を忘れていってしまいます。
そろそろ限界に近づき、彼女の動きも激しくなり始めた頃、湯船が若干の黄色を帯びた色に染まっていくのに気付きました。
お風呂の中で苦しむ彼女が、失禁していたのです。
今思えば、リアルな死を身近で感じ恐怖の余り漏らしてしまった、そうさせてしまった自分が今では本当に愚かだったと思います。
失禁する彼女を見て、もがく身体も徐々に大人しくなって行く様子を見ても「このまま続けてたら本当に死んじゃうかもな」なんて事を考えていました。
本当に魔が差した。
今でも何であんな冷徹な気持ちになったんだろうと反省しています。
それから数秒後、何かのスイッチが急に入ったかのように「これはヤバい」という、やっとまともな人間の感情が沸き、急いで彼女を湯船から引きずり出します。
彼女の意識はあるようだったが、激しい咳込み方と過呼吸になっている様子を見て、その場で救急車を呼ぶべきか悩んだが、彼女が少しずつ落ち着きを取り戻したのを確認し、それでも私は背中をさすって大丈夫?と声を掛ける事しか出来なかったです。
おそらく、彼女には一つトラウマを作らせてしまったと思います。
「もう二度と水を使ったプレイはしたくない」とはっきり伝えてくれました。
水責めに限らず、SMプレイの多くはリスクを伴うプレイ。
十分な知識と準備、リスクの把握が必要で、慢心や欲求を制御して「はずみ」を生ませない。
私はこの経験を通じて、それを身をもって学びました。
どんな好奇心も、命の重さを超えるものではないし、どれだけ相手が望んだとしても、安全が保証されない限りは絶対にやるべきではないと思います。
だから、私たちは今、SMプレイから暫く距離を置く事にしています。