SMプレイは、そのプレイ後のケアや振り返りも重要な要素です。
適切なアフターケアを行うことで、身体的・精神的な安全性を確保し、お互いの信頼関係を高める事も可能になります。
この章では、プレイ後のケアの重要性と具体的な方法について解説していきます。
アフターケアの重要性
プレイの内容にかかわらず、パートナーの心身には大小の負担が掛かってしまうのがSMプレイです。
アフターケアを怠って、後から重大な症状に悪化したり、小さな怪我や違和感を見逃してしまわないようにしないといけません。
具体的にどうケアすれば良いのかを、以下に見て行きましょう。
身体的ケア
先述の通りSMプレイには身体的な負荷が伴う行為です。
例えば縄やロープでの緊縛や拘束プレイを行う場合、摩擦で皮膚の赤みや痣が残ることがあります。
プレイによって負担の掛かった身体の部位には特に、目視で怪我をしていないか診てあげる事。
痛みや違和感が無いかなどの確認をしましょう。
応急処置
プレイ中には見た目も変らず痛みが無くても、擦り傷や切り傷などで出血している事に気付いたり、摩擦で赤く腫れ始めていることに後から気付く事などはよくあります。
軽い赤みには冷却を、擦り傷や切り傷には止血と消毒を、その場で出来る応急処置や治療方法は幾つか用意していくのが理想です。
継続的なケア
プレイが終わったその日その場のみのケアではなく、数日の間は相手の身体を気遣う事も大事。
ずっとSMプレイを楽しめるパートナーであれば、なおさら1度飲みではなく文字通りアフターケアを行っていくことで、関係性を深める事も可能です。
精神的ケア
身体に受けたダメージや負担だけでなく、心理的な内面の部分でもしっかりフォローする事でお互いの関係をより向上させます。
心理学のような難しい話ではなく、相手に対しての思いやりや労り、気遣いといった、人間性の持つ優しさがこれに相当します。
先の継続的なケアにも通ずる事柄ではありますが、継続した精神的な繋がりもSMプレイにおいては重要な要素です。
ポジティブなフィードバック
どの部分が楽しかったのか、何が良かったのかを言葉にすることで、双方の満足感を高めます。
ダメだった所は指摘せず、相手の思いを汲んだフィードバックを心掛けましょう。
また、プレイ前と後で好みが変わる事もあります。
緊縛に興味はあったが、実際にやってみると余り興奮しなかった。等もフィードバックによって聞き出したり伝える事が可能です。
これにより、お互いの関係性をより深め、理想に近づけるプレイが可能になっていきます。
具体的なアフターケアの方法
SMプレイにおいて、よく行われるケアの方法について紹介します。
身体のケアステップ
基本的なSMプレイ後の順序に沿って、プレイ後の最低限のケアを以下にまとめました。
1.水分補給とリラックス
激しいプレイ後には、適度に水分を補給し、深呼吸や休憩を取りながら体をリラックスさせます。
相手の身体も自分自身も両方ともに労り、疲労がたまっていたり、少しでも体調がすぐれない場合にはプレイそのものを行わない判断もしなければなりません。
夏場には体温が上りがちになるので、体温のクールダウンも併せて行いましょう。
2.医療専門家への相談
万が一、怪我や異常が生じた場合は、自己判断せず速やかに医療機関を受診します。
時間が経ってから症状が出たりする事もあるので、長期的なフォローにも心がけましょう。
3.道具の後片付け
使用した道具はすぐに清掃し、次回使用時の安全性を確保します。
特に、体液に触れたものは消毒が必要です。
また複数のパートナーが居る場合、それぞれのパートナーごとに専用のSMグッズを用意する事も衛生的な面で望ましいです。
精神的なフォローアップの流れ
1.「クールダウン」の時間を取る
プレイ後すぐに現実に戻るのではなく、ゆっくりと余韻を楽しみながら気持ちを落ち着けます。
2.パートナーとの会話
相手の感情や意見を尊重しつつ、自分の気持ちも正直に伝えることが信頼関係を深めます。
3.振り返り
次回のプレイをより良いものにするために、どの部分が良かったか、改善点は何かを振り返り、しっかり話し合いましょう。
振り返りの意義
振り返りは、次のプレイの質を高めるための重要なステップです。
具体的には以下を意識しましょう
・自己分析
自分がどのようなシチュエーションを楽しみ、どの部分が苦手だったかを理解します。
・パートナーの視点を確認
パートナーの満足度や改善希望を聞くことで、互いの関係をより良いものにします。
・継続的な成長
SMの実践は、個人やカップルとしての成長を促します。
プレイを振り返り、次回に向けた目標を設定することで、より安全で楽しい体験が可能となります。
アフターケアにおける注意事項
・強要の回避
プレイ後の感想を無理に聞き出そうとせず、相手のペースを尊重します。
・感情のコントロール
プレイ中の高揚感が冷めた後の「ダウン感」に注意し、適切に対応します。
どういう事かというと、プレイ中はSMプレイにおけるS側、M側のキャラクターとしての役を演じていますが、プレイが終わった後でもまだ演技を続けるのは違和感です。
逆に、プレイが終わった瞬間に速攻普段通りの接し方に戻っては、余韻もクソもありません。
お互いのダウン感を意識して、日常モードに戻っていくペースも重要だという事です。
まとめ
SMにおけるアフターケアは、プレイそのものと同じくらい重要です。
身体的ケアと精神的ケアの両面を考慮し、振り返りを行うことで、より安全で満足度の高い体験を続けることができます。
この章を通じて、アフターケアの意義と具体的な方法について理解が深まったのなら幸いです。